2023年1月31日火曜日

裏庭の風景:2月

明日から2月,如月。わが家の裏庭では毎年二月にクリスマスローズの花が咲く。原産地のヨーロッパではクリスマスシーズンに開花するらしいが,日本ではずっと後,年を越えて二月に咲く。見た目は薔薇(ローズ)と言えなくもないが,花びらの数は5枚と少なく,沢山の花びらが豪華に織り成している薔薇よりもずっと清楚だ。少なくとも僕はバラよりクリスマスローズの方が好きだ。わが家の裏庭には,薄いグリーン,薄い紫,紫の模様入りの白の三種類のクリスマスローズが咲く。2月の「裏庭の風景」は紫のクリスマスローズ。

「木版画」には,版の重ねることで色が微妙に変化し,平面に描かれた絵柄に奥行きを与えたり,場合によっては光の加減による陰映を比較的容易かつシャープに作り出すことができるという特徴がある(と,僕は考えている)。これは,まさに「木版画」ならではの効果で,最近僕はそれをしばしば用いる。

この絵柄も,茎と葉に二種類の緑(ザップグリーンとディープグリーン)を用いることで少しばかりの奥行きや陰映を作り出すことができたし,多少誇張的であるが花びらの重なりも表すことができた(実際には,クリスマスローズの5枚の花びらは,2弁が外側,2弁が内側,1つの弁は片方が内側,片方が外側と規則的である)。二月はまだまだ冬の寒さは厳しいが,暖かい春の前触れを感じる不思議な月だ。「不思議な月」を表す冷たいような暖かいような色合いにした。

紫色のクリスマスローズ

篆刻は朱文の「如月」。由来は衣服を重ねて着る「衣更着(きさらぎ)」という説が有力とのこと。というわけで版の重なりを多用した版画にしてみた。

2023年1月13日金曜日

新しい年の木版画教室始動!

 今日から県立美術館の木版画教室が始まった。六甲山の表に出たついで旧居留地界隈をぶらぶらしていると,いつものお店のウィンドウに,ちょっと地味な色合いだが,見覚えのあるデザインと篆刻(癸卯元旦)の年賀状が,,,。僕は年賀状を送るという社会的習慣からは脱却してしまったが,相変わらず,いろんなデザインを考えることは楽しもうと思う。

謹賀新年:飛躍する兎



2023年1月1日日曜日

明けましておめでとうございます

明けまして,おめでとうございます!垣根の山茶花に続いて木版画教室で習った「空摺り」の手法を用いて雪うさぎの年賀状を作成しました。よく目を凝らすと,ウサギがふっくらと浮き上がっているのがわかると思います。白いウサギは同色の雪に同化してしまうので「空摺り」はとても有効でした。

社会的儀礼としての年賀状はやめてしまったので(注),実際に郵送するわけではないですが,せっかくのデザインだから記録に残しておこうとアップロードしました。

本年もよろしくお願いいたします。

雪うさぎ

(注)僕が年賀状を出すのをやめた理由。

現役のころ毎年年賀状は200枚以上出していたし,元旦にはそれと同じ程の数の年賀状をいただいていた。確かに元日に年賀状を見るのは楽しいが,数が多いと雑になるのは仕方がない。いただく年賀状の中には表も裏も印刷だけという味気ないものも多く,ひとこと添えてある言葉も「お元気ですか」あるいは「今年もよろしく」という決まり文句だけ。人のことを言えた義理ではない。僕も住所はプリンタで印刷したラベルを使っていた。一言添える言葉もやはり「今年もよろしく」。これならデジタル年賀状と同じことだ。潔くデジタル年賀状に切り替えることにした。そもそも年賀状の到着時期に合わせて,12月の中旬に「今年もよろしく」と書くのはとても不自然だ。デジタルだがこのようにジャストインタイムでデジタル年賀状をアップロードするほうがより自然だ。

とは言うものの,それでも年賀状を送ってくれる人には丁寧に対応することにしている。特に卒業生や学生時代の友人から近況報告を兼ねた年賀状をもらえばほっこりする。いただいた人には,時間はかかっても手摺りの木版画で「寒中見舞い」あるいは「余寒見舞い」の葉書を出すことにしている。こんな時,毎月の版画「裏庭の風景」が役立つ。ことし10月で70歳,これからは人付き合いも,一人一人丁寧にしようと心がけている。「寒中見舞い」あるいは「余寒見舞い」だけでなく,思いついたら手作りの季節の便りをときどき送ろうと思っている。

ぼーっと生きていると危険だ!

トイレの手すりで頭をしこたま打った。手すりというか硬い金属製のハンガーのようなもの。尖った角で打ったため,少しだけだが血が出てきた。それもすぐに止まったから大丈夫だろうとたかを括っていたのだが,夜になると傷口がズキズキ痛むし,打った側の目や耳まで痛いような気がする。しかし,肩こり...