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2023年4月8日土曜日

知己朋友:大人の遠足京都編

J心の舟木一夫こと橋梁の専門家T君と2月に何年かぶりに会い食事をした時,次回はもう一人のT君を誘って食事をしようという話になった。地質が専門のもう一人のT君にそのことを知らせると早速京都で食事会をアレンジしてくれた。皆中学高校の同期,僕を入れて「三匹の侍」ならず「三匹のT」だ。

せっかくだから食事の前に京都のお花見でもということになり,壬生通りにある蕎麦屋で昼食をとった後,懐かしの嵐電に乗って妙心寺と御室仁和寺を訪れ,遅咲きの御室桜を楽しんだ。コロナも落ち着いて結構な人出だ。外国の観光客が多い。

妙心寺の庭:石庭の石の溝に桜の花びらが詰まっている

仁和寺の五重塔:背の高い桜は既に散り始めていた


妙心寺でお菓子と抹茶を頂いたり,嵐電の終点これまた懐かしい「北野白梅町」で美味しいコーヒーを飲んだりし,夕刻203番の市バスで四条河原町へ。夕食は地質のT君が,川床のお座敷を用意してくれた。僕は京都のお座敷での食事は初体験。日が長くなり,あたりはまだ明るいが,ちょうど良い頃に木屋町に到着。

こうして見ると皆歳をとったな。当たり前だが皆同い年。

鴨川が見えるお座敷

鴨川と東山の夕暮れ

泊まった部屋から見える素敵な坪庭

桜餅がお汁に?と思ったが,道明寺粉のお餅の中身は鯛

美味しい料理と,楽しいお喋り,次々に飛び出す中高時代の友人の懐かしい名前とともに,あっという間に時間が過ぎる。近況報告ではそれぞれの現在の仕事の話から道楽の話まで延々と話は続く。僕以外の二人は現在も現役。引退した僕も,最近これまでの仕事とは全く異なるちょっとしたボランティアのような仕事を始めたことを話すと驚かれた。道楽の話では,地質のT君が最近始めた俳句を,落柿舎(👉こちら)で投句箱に投句したところ,いきなり入選したとのこと。スゴイ!

せっかくだからと,今日はここでゆっくり一泊することになっている。話は尽きないが,ちょっぴりお酒も入っているからまもなく,ぐっすり眠れるだろう。

2023年4月1日土曜日

Die Mainacht(五月の夜)

4月になったばかりで早すぎるし,まだ改善の余地は残っているが,とりあえず一つ木版画をアップロード。出来上がったものを手元に置いておくと落ち着かない。ブラームスのドイツ歌曲 "Mainacht(五月の夜)"を聴いていて浮かんだイメージをそのまま木版画にしてみた。相変わらず小学生の図工の宿題のような絵柄だが,月に関する第二章だ。

Wann der silberne Mond durch die Gesträuche blinkt,
Und sein schlummerndes Licht über den Rasen streut,
Und die Nachtigall flötet,
Wandl' ich traurig von Busch zu Busch.

愛聴盤はナタリエ・ストゥーツマン(Nathalie Stutzmann)というコントラルト歌手(👉こちら)。大好きな曲だ。

Mainacht

まあ何となくの妄想のイメージなんだが,実はこれは半年間滞在したマールブルグ大学の宿舎の窓から見ていた景色に似てなくも無い。振り返れば,もっとも熱心に講義の準備をしたのは,ドイツでの半年間だったように思う。春から夏にかけてドイツは日が暮れるのが遅く,こんな風景が記憶に残っているというのはきっと夜遅くまで準備していたんだろう。ドイツに到着したのは今から25年前の今日だ。

春の月 ドイツは遠く なりにけり



2022年10月27日木曜日

僕の「奥の細道」(IV)2022年10月27日

昨晩鶴岡に到着後,3000円のお買い物クーポンで街へ夕食をとりに出かけた。日本海側の街だからお魚が美味しいだろうと思い,ちょっとした居酒屋に入りお刺身を食べた。明日は特に決まった予定はないのでゆっくりできる。ホテルには無料のランドリールームがあったため,たまった下着などをすべて洗濯する時間も十分あった。

朝食を済ませて7時半,いざ出発と思ったら,お気に入りの帽子がない。何年か前髪の毛を短く切ったので,帽子は防寒にかかせない。特に冬の幌全開の走行には必需品だ。

お気に入りのパタゴニアのキャップ

ベッドの横の隙間に落ちたのだろうか,毛布のなかに巻き込んでいるのだろうかと探したが見つからない。昨日でかけたのは居酒屋さんだけだからきっとそこに忘れているのだろう。領収書を見ると開店時間は朝11時とある。まだまだ先だが,まずは予定していた湯殿山神社へ行って11時を待つことにした。その途中,忘れ物の問い合わせと電話番号を記したメモを居酒屋のドアのスリットから投げ込んでおいた。あれば電話がかかってくるだろう。なければ湯殿山神社から直接次の目的地長岡へ向かおう。

湯殿山神社までは一時間足らず。麓まで山形まで続く高速道路を使うことができる。当初はちょっと寄るだけで帰るつもりだったが11時までたっぷり時間があるので,参拝することにした。山の下に平安神宮の鳥居並みの大きな鳥居がある。そこから山道を30分たった一人歩きながら本宮を目指す。

参道の入り口の鳥居

参道の途中振り向けば山形の山並みが素晴らしい。小さな鳥居(赤くでかい鳥居よりずっと風情がある)や月山に続く山々など早朝の素晴らしい景色を堪能できる。帽子を忘れていなかったら素通りするところだったから忘れ物の効用だろうか。

人一人いない本宮へ続く参道

振り向けば山

紅葉と小さな鳥居

月山に続く山

本宮への参道にある鳥居から先は写真撮影禁止。せせらぎのような音を聞きながら谷底へ下っていくと何やら建物があり神主さんが一人。ここで靴を脱いで裸足になれと言われる。裸足にならないと神社に入ることはできないのだ。もちろんタダではない。これから先に入るために500円必要。そして小さな紙人形とお守りのようなものをくれて,お祓いをしてくれる。お祓いをして身の汚れを紙人形に移し,それを水の流れに流さなければ入れないのだ。これなら500円は高くない。久しぶりになんとなく身が清められた気分になる。しかし足が冷たい!不思議な御神体を拝み(帽子がありますようにとお願い),もとの入口まで帰ってくる頃には足は縮かんでしまって感覚がほぼ無くなっている。みなそうなんだろう。入り口には温泉の足湯が用意されていた。忘れ物のおかげで良い経験ができた。とても神秘的な感覚だった。

雲の峯
幾つ崩れて
月の山

語られぬ
湯殿にぬらす
袂かな

 芭蕉

湯殿山
銭ふむ道の
泪かな

 曾良

火恋し
足冷たきや
湯殿山 
湯殿山
下る参道
秋の風 
 一郎

鶴岡へ戻る途中スマホに電話の着信が。居酒屋さんから帽子があったとの連絡。湯殿山神社でのお願いが通じた! 11時から開店だが既に開いているのでいつでもOKとのこと。しかしやはり準備中は立て込んでいるだろうから11時に伺うことにした。少しだけ時間があったので,致道館という庄内藩の藩校に立ち寄ることもでき,道中の景色と合わせてしばし藤沢周平の世界に浸った。11時になって居酒屋さんへ帽子をとりに伺いお礼をいって長岡へ再出発。日本海を右手に見ながらの素晴らしいドライブを楽しんだ。ただ帽子騒ぎでバタバタとしたためスマホの充電器をホテルに忘れてきてしまった。

意外に早く目的地長岡に着くことができた。長岡については別に詳しく話すことにする。長岡は今回の旅の目的の一つでもあるからだ。今日の走行距離は281km。

 





 

2022年5月23日月曜日

裏庭の風景:5月

月名のハンコが完成した。そもそも毎月のハガキの木版画に添えようと作成したものだ。月々の裏庭の風景を木版画にすることにした。立派な花や木はないが,僕の日常の風景を伝えられたら望外の喜びだ。5月の版画は二階の窓から見えるヤマボウシ。

 ヤマボウシの花は生い茂る緑の葉の上に,天に向かって咲くので地上から見ていると花が咲いているのがわからない。二階の窓から下をみてはじめてヤマボウシの花が咲き乱れていることがわかる。

花は白い。そのため白い紙にそのまま摺ればほとんど輪郭が見えない。そこで版画の背景を色付けし,花の部分をくり抜くことにした。サイズはいつものようにハガキサイズ。絵の中に「皐月」のハンコを添えた。「皐月」は「早月」とも書かれ,早苗を植える月とのこと。

裏庭のヤマボウシ

炎天の 日差しに耐えよ ヤマボウシ

夜の雨 濡れてさびしき ヤマボウシ



2022年5月20日金曜日

姉を訪ねて三千里(その一)

ふと姉に会いたくなり,10年ぶりに姉を訪ねた。突然電話をして突然訪ねた。義理の兄が死んでから,Y姉さんは松山に一人で住んでいる。本当は,どんなに年老いてしまったかとても不安だった。しかし,昔のままと言えば言い過ぎだが,大好きだったやさしく綺麗な姉とほとんど変わってなく,とても嬉しかった。あっというまに夜中になってしまうほど話し込んでしまった。

炎天に 姉を訪ねて 三千里 

夏の午後 十年ぶりの 姉の声

炎昼に 手を振る姉を みつけたり

もっと一緒にいたかったが,長居するといつもは一人静かに暮らしている姉を疲れさせるだけだと思い,次の日の午後松山を離れることにした。神戸から松山まではロードスターでたった4時間,また近いうちに来ることもできるだろう。姉は一人暮らしとはいえ,娘のN子が近くに住んでいる。翌日の午前中,N子にコーヒー豆の焙煎の方法を教えてもらった。コーヒー好きの僕にとって至福の時間だった。

もとはといえば豆の試験用の小さい焙煎機

今日は,ブラジル,グアテマラ,コロンビアを少しずつ

だんだん色づき,パチパチという音がしだすと完成間近

焙煎終了

焙煎が終わったコーヒー豆をたくさんお土産にもらい,さらにはN子が作ったとても美味しいベーグルまでもらって,松山を後にした。すぐに神戸に帰るのはもったいないと,懐かしい宇和島まで足を伸ばし,足摺岬や四万十川を訪ねてみることにした。




2022年5月8日日曜日

母の日

今日は母の日だ。母は38年前に死んでもういないんだが,昨日近所のスーパーで,赤いカーネーションを一本買ってきた(198円)。空のワインボトルに投げ入れて飾り,それを版画にして見た。

赤いワインと赤い花

 題材がありふれているので,ちょっとだけいつもと違う工夫をしてみた。

  • 紙は和紙ではなく「ニューブレダン紙」という洋紙。表面に微妙な凹凸が付けてあり,さらに弾力性も強い。そのためザラザラ感が出て,作成前にイメージしていた雰囲気になった。
  • 花の部分は下絵で描いた隣り合う花弁が同じにならないように絵の具(スカーレット)の濃さをほんのちょっぴりだけ変化させて4回の重ね摺りをしている。まさに四色問題!
  • 難しかったのはワインボトル。左右対称にしたかったのだが,そして事実下絵は鏡映軸で二つ折りにして正確に左右対称にしたのだが如何せん僕の技術では下絵通りに彫ることができず,微調整を繰り返すうちに左右対称とは程遠いものになってしまった。木目があるので,彫刻刀で滑らかなカーブを掘るのはとても難しい。
いつも使っている因州和紙の葉書や,版画教室でいただく和紙とは違う雰囲気のザラザラ感が出た。物によって紙を変えるのも必要なんだな。

母の日は 赤い花より 赤い酒
母の日や ワインボトルに 花一輪



処暑:二十四節気

明日8月23日は処暑。まだまだ暑い日が続くが,時折秋の気配を感じることが多くなった。 小学生の頃住んだ家の裏隣には小さなお地蔵さんがあった。お地蔵さんは小さな建物のなかに祀られていたため,直接それを見たことはないが,おそらくこのような感じだったんだろう。お地蔵さんは地域の人々によ...