2025年1月19日日曜日

新二十四節気:大寒

明日は二十四節気の大寒。英語で言えば "Great cold" 。まあ一年で一番寒い時期なんだろう。それでも,今週は旧友と二人キャンプに行く計画だ。キャンプの夜は鍋と日本酒に決定。キャンプについては別の機会にブログで報告するが,キャンプといえばやはり焚き火だ。

と言うわけで,大寒の木版画のテーマは焚き火と焼芋。色づいた落ち葉の中に焼き芋が二個,小さな炎と立ち上る煙。


篆刻はもちろん「大寒」だが,添えられた文章は本来は焼き芋とまったく関係がない。出典は大海人皇子(天武天皇)が今は中大兄皇子(天智天皇)の妻になったかつての妻額田王に送った歌,

紫の匂へる妹を憎くあらば人妻故に我恋ひめやも(万葉集) 

だ。これは額田王の歌

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(万葉集)

への返歌。要するに,現代語の「芋」と,古文の「妹」の発音が同じというだけ。加えてさつまいもの色は紫だし,落ち葉が沢山あるから万葉という妄想の連鎖。焼き芋の版画を摺っていてふとこの歌を思い出したわけだ。

人妻故の「故」の意味が分かり難いが,リービ英雄の英訳を見ればバッチリ。故は,"because" ではなく,"though" なのだ。

If I despised you, who are as beautiful

as the murasaki grass, 

would I be longing for you like this,

though you are another man’s wife?

English translation by Ian Hideo Levy in Miyata et al. (2000) Love songs from the Man'yoshu (Tokyo: Kodansya International)


『万葉恋歌』

万葉集の歌は本来とてもシンプルで心情を直接的に表現したものが多い。難しい解釈は不要。英語で読むのが一番わかりやすい(こちらも参照👉)。上記の本,切り絵はあまり興味はないのだが,リービ英雄の英訳が知りたくて購入したもの。誤解をないように言うが,この本の切り絵が「もう一つ」というのではなく,僕は「切り絵」というものにあまり心を惹かれないのだ。

新二十四節気:大寒

明日は二十四節気の大寒。英語で言えば "Great cold" 。まあ一年で一番寒い時期なんだろう。それでも,今週は旧友と二人キャンプに行く計画だ。キャンプの夜は鍋と日本酒に決定。キャンプについては別の機会にブログで報告するが,キャンプといえばやはり焚き火だ。...