明日から師走。ことし最後の月だ。
冬になると裏庭の南天が赤い実をつける。この南天は,庭木の剪定にきてくれた植木屋さんが「この南天は珍しい種類だから大切にすると良いですよ」と言ってくれたものだ。そういえば近所で見かける南天はまさに実がたわわになっているのだが,この南天は少し上向きで,茎が撓むほど沢山実をつけるわけではなく,スリムで上品だ。
実際にはここ裏六甲に雪はまだ降っていないが,二十四節気の「小雪(しょうせつ)」は11月22日,「大雪」は12月7日だから,雪はいつ降ってもおかしくはない。木版画は南天に「小雪(こゆき)の降りかかる」様子を描いている。
汚れつちまつた悲しみに(中原中也) |
篆刻は「師走」。縁は太く,中の文字は細いスタイルの朱文にした。師走の由来には諸説あるが,最も尤もらしい(Maximum Likelihood,なんか懐かしい言葉だなあ)のは坊さん(師)がお経をあげるために走り回る「師馳す(しはす)」らしい。4月に始めた裏庭シリーズも残りは一月(睦月),二月(如月),三月(弥生)の三つになった。あと一息。
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