兵庫県立美術館の木版画教室(本田このみ先生→こちら)の今期の課題は「空摺り」だ。これは絵の具を使わない技法で,エンボスによく似た手法だ。手法そのものは絵の具を使わないということ以外はこれまでに習った木版画の彫りや摺りと大きな違いはないのだが,それを「どのような場面に適用するか」というもっとも重要なところが僕は,まだ十分理解できていない。
先生の例を参考にしながら,二つ三つ適用例を考えたのだが,なかなか良いアイデアが浮かばない。いろいろ考えている最中,ふと定年退職の直前2019年2月のイタリア出張の際,仕事の後に訪れたナポリの考古学博物館で見たヴィーナスを思い出した。大理石だからまったく色はないのだが,お尻の格好がなんとも言えず美しく思った。題名をみるとまさに「尻の美しいヴェヌス」。そのときに感じた美しさを空摺であらわせないかと,,,。なるほど色をつけてその時の印象を表すよりも,色無しの空摺りの方が良いような気がする。
Aphrodite Kallipygos |
これで良いのかなあ,と半信半疑で教室へ持って行くと,先生を含めて意外に評判が良かった。というわけでアップロードします!
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