2023年11月22日水曜日

小雪:柿の彼方に

本日は小雪。この辺りはまだ雪は降っていないが,北日本では先週大雪だったとのこと。立冬から二週間,すっかり冬になって我が家ではすでにストーブを出している。燃焼の匂いが嫌で,ずっと床暖房とオイルヒーターで暖を取っていたが,最近のガス代,電気代の高騰や,災害時に備えエネルギー源を分散するために,古典的な(Aladdin)の石油ストーブを使い出したわけだ。ストーブの上で沸かしたお湯は湯たんぽに使え,エネルギー効率はすこぶる良い。

日に日に寒さが増すのと並行して,庭先の物干し竿に吊るした干し柿の色も日に日に濃くなっていく。吊るし柿越しに青い空と遠景の山を眺めていると,ふと「オズの魔法使い」でジュディー・ガーランドが歌う「虹の彼方に(over the rainbow)」を思い出した。そんなことを思いながら,吊るし柿と遠景の山を木版画にした。実際には柿の数はもっと少ないし,住宅に遮られて山も全体が見えるわけではない。いつもの誇大妄想の癖が出た虚構の世界だ。

吊るし柿

 題名は曲名をもじって「柿の彼方に(over the persimmons)」。篆刻は小雪。午後ちょっぴり素敵な出来事があった。

2023年11月21日火曜日

クリスマスカードの試作品

今年もクリスマスカードを送るシーズンが近づいた。友人たちのほとんどは,メールでデジタル画像を送ってくるのだが,そんな時こそと,僕は手作りの木版画クリスマスカードを毎年送っている。年賀状は定年を機に既にやめてしまったが,クリスマスカードは送り先が10名ほどの外国人で少なく,手作りで丁寧なカードを送っている。ただ続けているとだんだんアイデアが枯渇してくるのも事実だ。今年はちょい手抜きをして,三角形をモチーフに簡単なクリスマスツリーのカードを作成した。

青いメリークリスマス

赤いメリークリスマス

 簡単とは言え,今年一年を象徴する題材が隠し味。いまだメリークリスマスの文字色をどうしようか迷っている。

2023年11月8日水曜日

立冬:炉開き


本日は立冬。暦の上では冬の始まりだ。日中は相変わらず暖かいが,朝夕はぐっと冷え込むようになった。週末からは一気に気温が下がるようだ。茶道では「炉開き」のシーズン。というわけで「炉開き」をテーマに小さな木版画を作成した。

昨年,京都のあるお寺で「炉開き」のお茶会に招かれ参加した。正式なお茶会に参加するのは初めての経験,茶道の作法は全く知らず緊張のあまり,「亥の子餅」以外は何も覚えていない。わが家の庭で紅葉したヤマボウシの葉と畳の上の懐紙に乗った亥の子餅を描いた。畳は琉球畳。茶室に琉球畳が使われるかどうかはわからないが,長方形の通常の畳より正方形の琉球畳の方が数段デザインがやり易い。おまけに縁がないから手間も省ける。濃いグレーのアクセントは「炉」のつもり。参考のためわが家の和室の琉球畳の写真を揚げておこう。

炉開き


琉球畳

新二十四節気・冬至

今週末の土曜日(12月21日)は冬至。北半球では一年で夜が一番長い日だ。ただし日の入りが一番早いわけでも無いし,日の出が一番遅いわけでもない。日の入りから日の出までの時間が一番長いというだけだ。実は,日が暮れるのが一番早い日は冬至より少し前,日の出が一番遅いのは冬至より少し後にな...