2024年4月28日日曜日

福田平八郎展

大阪まで福田平八郎展を見に行ってきた。 敬老優待乗車証のおかげでバス代は半額。これまでは自宅のある北区から三宮へ出るのに市バスは500円だったがそれが半額になったおかげで街に出やすくなった。敬老無料乗車証ならもっと良いのだが。

三宮から阪神電車(最近阪神電車のファン)で福島まで行くと,あとは10分ほど歩くだけで中之島美術館に到着する。橋のたもとで美術館方向を見ると炎天下長蛇の列。鑑賞意欲がそがれる中ともかく会場までと行くと,実は長蛇の列は同時開催のモネ展。福田平八郎展は行列もなくスッと入場することができた。



すべて素晴らしい作品だった。福田平八郎の絵は大分や京都の美術館でも観たことはあるが,こんなに沢山の作品を系統的に鑑賞したのは初めて。大きな刺激を受けた。物を見て描くというのは,現実をそのまま描くと言う訳ではない,自分の目と心に映ったものが反映されるように特徴的に描くということなんだと感じた。単純な図柄しか描けない自分の技量を卑下していたが,そんなことは気にせず自分自身が楽しめばそれでいいんだと納得。

もちろん福田平八郎の絵と自分の道楽を重ねるのは失礼極まりないのだが,ふとウイーンフィルのコンサートマスターが,子供に演奏を指導するというドキュメンタリー(奇跡のレッスン)を思い出した。そこでそのコンサートマスターは,演奏のテクニックのレベルに関係なく,どんな初心者でも楽譜通り演奏するということではなく表現ということが一番大切だと話していた。僕の道楽も技量はまったくダメだが,その言葉を拠り所として自分なりに続けている。滞っている新二十四節気の木版画を再開しようと大きな刺激を受けた

ところで,会場の大きな看板に福田平八郎の年譜が掲げられていた。そこに没後福田平八郎は,京都の法然院と大分の西応寺の墓に葬られているとあった。大分出身のカミさんの旧姓も同じ福田なのだが,カミさんの実家の墓も大分の西応寺にある。西応寺はごく普通の小さなお寺だ。2,3分もあれば境内をすべて見て回れるほどの広さだ。20年ほど前に墓参の時に見つけ「こんなところに福田平八郎の墓があるんだ。それとも同姓同名の別人なのかな」と思った記憶があるが,何故かそれ以降墓参りの度に探しても見つからない。福田という名のつく墓は西応寺には一つしかない。そのそのため僕の記憶違いなのかなとずっと思っていた。それが今回の福田平八郎展で見間違いでなく確かに墓があるんだと分かった。何か関係があるんだろうか。


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朋有り遠方より来たる

子曰く 学びて時にこれを習う 亦説こばしからずや 朋有り遠方より来たる 亦楽しからずや 夕食の後で:左からT, O, S ライプナー・チーズ