今日から七月。今年は紫陽花の咲くのは少し遅い。例年,六月には水色とピンク色の紫陽花が裏庭に咲き乱れるという感じなのだが,今年は六月も終わるという頃から咲き始めた。今年は額紫陽花,隅田の花火を木版画にしてみた。
隅田の花火 |
篆刻は,文月。白文と朱文を混ぜたちょっとモダンな感じにしてみた。文月の由来は,穂含月(ほふみづき),すなわち「稲の穂が実り出す」から転じたという説が有力なようだ。
周りの薄色の花は八重になっている。この版画は単純なように見えて,少々手の込んだことをしている。つまり外側の花びらだけで3回重ね推しをして八重を表している。八重の感じを出すには絵の具の濃さの加減がとても難しい。薄すぎると全体がぼやけるし,濃すぎると重なった感じが無くなってしまう。
僕は物事を見たそのまま描く(デッサンとはそういうものらしい)という絵画の能力が皆無だ。だから写生をするということはせず,そのものを眺めていて簡単な特徴を見つけ出し,後は現物を見ずになんとなくそのイメージを図案にしているだけだ。そこで今回大きな失敗をした。つまり最初葉っぱの位置が間違っていたのだ。
葉っぱまできちんと観察しなかったので,図案としてバランスの良い左右対称に葉っぱを2枚ずつ描いていた。しかし隅田の花火についてウェブで調べてみると,対生ではなく互生であり,葉っぱは茎から交互に生えると書いてある(⇨たとえばこちら)。図案としては対生の方がバランスが良いのだが,ここはやはりウェブの記述にしたがって,科学的に正しい描写にした。
色はブルーとグリーンで爽やかさはあるが,インパクトがあまりない。こんな時有用なのが赤い篆刻。篆刻のおかげで少しだけ引き締まった感じがする。六月,七月は裏庭には紫陽花だけでなく,いろいろな花が咲く。毎月一つにとらわれずにいくつか作ってみようと考えている。
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