2022年8月1日月曜日

裏庭の風景:8月

本日から八月。庭のフェンスに蔓(つる)を延ばしていたフウセンカズラが次々と立派な果実を実らせている。果実と言っても食べられるわけではない。白色の花はうっかりすると見逃してしまうほど小さいが,果実は大きく,その名が示すようにフウセンのようだ。

最初に一つ果実を見つけたのは十日ほど前だったのがあっという間にその数は二桁になった。見た目は鬼灯(ほおずき)に似ているが,フウセンカズラはナス科の鬼灯はとはまったく異なる植物だ。

ネットワーク・ツリーを構築するように,くるくるとカールしたか細い蔓を伸ばし,フェンスの取っ掛かりに食らいつきながら(ときには自分自身を取っ掛かりと勘違いし)日々成長していくのを見るのは楽しい。

蔓は次数4のネットワークツリーのように成長する。
これをみれば葉ノード(leaf node)の意味がよくわかる。

2方向から延びる蔓が,お互いを取っ掛かりとして絡んでいる

そんなフウセンカズラの蔓がフェンスに沿って拡がっているのを見ていると,ふと唐草紋様(アラベスク)の風呂敷を思い出した。そう!古典的泥棒の常備品,緑色の風呂敷の紋様だ。実際にみる自然の形態とは程遠いが,背景を唐草紋様にして僕が感じたイメージをそのまま木版画(ポストカードサイズ)にした。

唐草紋様とフウセンカズラ:花・葉・実・蔓

篆刻は葉月(はずき)。線の太さは一様に刻すのが篆刻の決まりらしいが,木に葉が繁っている感じを表すため,あえて短い横線を葉っぱのように一部太くしてみた。しかし,葉月の由来は葉の落ちる月(葉落ち月)が有力らしい。季節感とズレるのは,現在の暦が太陽暦であるのに対し,和風月名は旧暦の太陰太陽暦だからだ。2022年,旧暦の8月1日は新暦の8月27日だからまだ一ヶ月ほど先だ。




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