入り口の看板(左が「待月」) |
受付の上の垂れ幕 |
上村松園といえば「序の舞」だが,僕が一番気に入ったのは入り口の看板(上の写真)にも用いられている「待月」。実はこの絵には月は描かれていない。看板にする時に端折ったのではなく,本物にも月は描かれていない。なるほど!月をテーマにしていても月を描く必要はないのだ!月は描かれていなくてもまさに「待月」。なぜかとても腑に落ちた。
「待月」以外も,すべての作品の色合いの優しさが素晴らしい。それぞれの絵の中で美人は考え抜かれた絶妙のバランスの位置に置かれている。絵の下絵や縮図帳なども展示されていて,手を抜くことのないプロの姿勢に感銘を受けた。展覧会へ行くと発見が多い。良いものを観ると感銘を受けるだけでなく,とても勉強になる。