本日10月23日は二十四節気の霜降。秋もいよいよ終わりですね。霜降の版画は落ち葉。
少し体調を崩しているので、版画はしばらくお休みします。
| 霜降:落ち葉 |
| 落ち葉:小さな額入り |
今日10月8日は二十四節気の寒露。朝夕はすっかり涼しくなった。このシーズン,刈り取られたばかりの稲を稲架で乾燥させているのをよく見かける。稲架と書いて「はさ」あるいは「はざ」と読む。そんな風景を子供の頃の記憶を元に描いた。子供の頃,田圃を通る通学路の近道で刈り株に躓いてよく転んだ思い出がある。そのため版画の図柄には必須条件。
| 稲架と案山子 |
| 稲架と案山子:小さな額 |
明日は秋分。木版画のタイトルは「月夜の彼岸花」。
| 月夜の彼岸花 |
| 月夜の彼岸花:小さな額入り |
ブルーの彼岸花に違和感を感じる人も多いと思う。事実,僕自身もずっと彼岸花は赤だと思っていた。七月脚の手術の前に中高の友人二人と「最後の晩餐」と称して食事をした後の雑談で,彼岸花の版画の構想を話した。技術的な理由で赤い彼岸花は断念し,非現実的だがブルーの彼岸花にしたと話すと,博識のTK内君が「ブルーの彼岸花もある。加古川の花の寺にあるから是非観に行くと良い」とアドバイスしてくれた。
敬老の日の昨日九月二十一日,ちょうど彼岸花のシーズンに円照寺を訪れた。境内は色とりどりの彼岸花で溢れていたが,残念ながら青い彼岸花は八月末から九月始めがシーズンで,今年は九月十三日に青い彼岸花は終わったらしい。
| 円照寺境内の彼岸花 |
| 円照寺境内の彼岸花 |
シルバーウイークの初日の20日,和歌山まで墓参りに行った帰り,大阪の住吉大社に寄ってみた。住吉大社は源氏物語にしばしば登場する知られた神社だが訪れるのは今回が初めて。多くの人々,特に生まれたばかりの赤ちゃんを連れた「お宮参り」 の人々で賑わっていた。有名な朱色の太鼓橋が華やかさを醸し出す。
| 太鼓橋 |
| 源氏物語関屋澪標図屛風 |
| 奥まで続く四つの本宮 |
| 大きな楠 |
| 楠珺社 |
| 招き猫 |
今日九月九日は重重陽の節句。別名菊の節句。五節句のうち一年で最後の節句だ。三月三日の上巳の節句(雛祭り,桃の節句),五月五日端午の節句(子供の日菖蒲の節句),七月七日は七夕の節句(星の節句,笹の節句)がそれぞれよく知られているのに対し,重陽の節句はあまり一般的ではない。雛人形,鯉のぼり,笹飾りのように大人も子供も楽しめるような行事がないからだと思う。事実,車のナビは朝エンジンをかけると「今日は九月九日,救急(99)車の日です」と味気ないアナウンスがあった。もう少し味のあるアナウンスをするナビはないものだろうか。たとえば「今日は重陽,菊の節句です」とか。
重陽の節句は菊の節句とも言われ,薬効のある菊を浮かせた「菊酒」を飲むというのが行事らしいが,もちろん,これは子供向けではない。それでも,やはりあまり知られていないからこそ,ここは正攻法で菊を題材とすることが一番良いと考えた。そこで作った版画がこれ。
| 重陽:大輪の菊 |
どこにでもあるようなありふれた図柄になってしまったが,菊以外には見えないからこれはこれで良しとしよう。実はこの版画のような大輪の菊が咲くのはもっと先,十月に入ってから。個人的には立派な菊よりも,小さな野菊,野路菊が好みなんだが,「重陽」という漢字からはやはり大輪の菊を連想する。これで五節句のうち四節句がそろった。以下それらを列挙しよう。
| 上巳:立雛 |
| 端午:ステンドグラス風兜 |
| 右より人日,上巳,端午,七夕,重陽 |
今日は白露。先週末から続く雨のせいか,漸く朝晩は気温が少し下がってきたような気がする。この時期スーパーや農協のお店にはたくさんの無花果が並ぶ。子供の頃住んだ家の裏庭には無花果の木があった。無花果の実がなる時期には,好きな時に好きなだけ千切り食べていた。そのため無花果がパイナップルやバナナのようにお店で売られる希少な果物だと知ったのは大人になってからだ。そんなことを思い出しながら,無花果を版画にした。さりげなく皮の筋を描くのに苦労した。瑞々しさは表せなかったが,少なくとも無花果以外には見えないので一応は成功かな?
| いちじく |
| いちじく:小さな額入り |
| 立秋:蚊取り線香 |
| 蚊取り線香(小さな額入り) |
7月7日は小暑,いよいよ本格的な夏の到来。木版画の絵は熊本と島原を結ぶ小さなフェリーボートとカモメ。実際にこのフェリーに乗ったのは4月の上旬,あいにくの曇り空で肌寒い日だったが,穏やかな有明海の心地よい船旅をカモメと一緒に楽しんだ。
雨の中の旅行だったが,原城をはじめ、長崎の外海(そとめ)や平戸の潜伏キリシタン遺産を訪ねた印象深い旅だった。その時の光景をそのままそっくり夏の青い空の風景に移し替えた妄想の産物。
| 有明海のフェリーとカモメ |
| 有明海のフェリーとカモメ(小さな額入) |
| クマモンフェリー |
6月21日は夏至。一年で一番昼が長い日。暦の上では、5月5日に既に夏になっているのだが、体感的には毎年夏至になって夏が来たなと感じる。夏の花と言えばやはりひまわり。ありふれた題材だが、なんとなくゴッホ風にしてみた。ゴッホは、働いていたころ毎年のように訪れた馴染みの国オランダの人だ。この人もとても真面目に生きた人だと思う。
| ひまわり(ゴッホ風) |
| ひまわり(小さな額入) |
アムステルダムのゴッホ美術館はもちろんのこと,30年以上にわたり共同研究をおこなった畏友の家に近いクレーラー・ミュラー美術館もまたたくさんのゴッホの作品を所蔵・展示しているすばらしい美術館だ。ゴッホ美術館は一度訪れただけだが,クレーラー・ミュラーは,共同研究の合間をみつけて都合3回訪れた。
もうヨーロッパに行くことはないだろう。活動範囲は家の近所がほとんど。しかし、まだまだThink globally, act locally‼️
6月6日は二十四節気の芒種。つまり芒(のぎ)のある植物の(種)を植える時期。具体的には稲の田植えの時期を指すようだが,やはり芒が絵にある方が芒種らしい。そこで芒のあるもう一つの植物である大麦の穂を木版画にした。ちょうど今は大麦の収穫時期。たくさんの芒があることを,いくつかのパステルカラーの麦の穂とその重なりでそれを表してみた。添えた篆刻はもちろん「芒種」
大麦と言えば,僕はケンローチの映画「麦の穂を揺らす風」を思い出す。ただし版画の麦の穂は風に揺られてはいない。アイルランドはとても行きたい憧れの国だったが,とうとう行くチャンスは来なかった。アイルランドはこの映画とフランク・オコナーを通してしか知らない(阿部公彦訳『フランク・オコナー短編集』岩波文庫)もちろんジェイムス・ジョイスも未読だ。憧れるには何も知らない方がいいのかもわからない。5月21日は啓蟄。小満の版画はさくらんぼ。ちょうど東北旅行を計画中に思いついた図案だが,実際に山形へ行くと,道沿いの果樹園のさくらんぼはまだ実っておらず,さくらんぼは小満の図案としては少々早すぎた。しかし遅れるよりは早めの方がずっと良い。
版画はいろいろなタイプを試行錯誤している最中。先ずは黒い線で輪郭を描くという方法(重主版法と呼ぶらしい)でやってみた。版は背景のグレー,さくらんぼの赤,輪郭の黒の3版だから比較的早く出来上がった。正確に言えば器は輪郭がなく黒がベッタリ。左端のさくらんぼの輪郭が少し欠けたが仕方がない。もっと細い線で輪郭を描きたかったが今の力ではまだまだ難しい。
| さくらんぼ(小さな額入り) |