2025年1月23日木曜日

人生は,版画,時々キャンプ,ところによってロードスター

半年ぶりのキャンプは,能勢「杜のテラス」での真夏キャンプから一転,同じ場所での真冬キャンプ。 寒さ対策は万全。ただそのため荷物が格段に増加し,ロードスターは断念,カミさんのヤリスクロスを借りてたくさんの荷物を積み込んだ。今回もR大時代の友人と一緒。

いつものテントだが遠景にはヤリスクロス

12時前に到着,設営は順調で,昼食は予定通りキャンプの達人の友人が下準備をしてくれたアヒージョ。僕はお気に入りのオリーブオイルとバゲット(フランスパン)を持参。とてもおいしいアヒージョが出来上がった。アヒージョが終わった後は,グリドルに残ったオリーブオイルを利用してペペロンチーノ,またしても食べ過ぎの感はあるが,食後は薪割りという作業があるのでちょうど良い。

アヒージョ

ペペロンチーノ

いつもは現地調達の薪で焚き火をするのだが,今回は,昨年末の作品展を区切りに,これまでに作成した木版画の板木をすべて廃棄し,焚き火に利用することにしたた。これが荷物の多かったもう一つの理由。一枚一枚斧で割ること小一時間。想像していたより大変な作業だ。つまり板木はシナベニヤ,木の目が縦横に張り合わせてあるのか,単純な樹木のようにスパッと縦に割れないのだ。それでも悪戦苦闘の末,夜に焚き火を楽しむには十分な薪が用意できた。

炎をみていると心が落ち着く

廃棄する板木に加えて,板を掘る時に発生する大量の削りカスを着火材として利用。火吹き棒を併用するとこれがとても効果的で,素敵な焚き火になった。夜もふけていよいよ晩御飯,メニューはカレー鍋。寒い夜には鍋が一番。野菜たっぷりで健康的だ。

野菜たっぷりのカレー鍋

日本酒,ビールとお酒も進み歓談し,ふと見上げると満天の星。少し都会から離れるだけでこんなにも星がよく見えることに感激。こんなことなら双眼鏡を持ってくるべきだった。

友人撮影の夜空の星

夜中は氷点下という予報だったが,そこは準備万端,とても快適な一晩だった。ただ寒い時,テント内で長時間過ごすには,僕のテントは少し小さい。というより天井が低いため姿勢がわるくなり肩が凝る。次回は少し背の高いテントにしよう。





2025年1月19日日曜日

新二十四節気:大寒

明日は二十四節気の大寒。英語で言えば "Great cold" 。まあ一年で一番寒い時期なんだろう。それでも,今週は旧友と二人キャンプに行く計画だ。キャンプの夜は鍋と日本酒に決定。キャンプについては別の機会にブログで報告するが,キャンプといえばやはり焚き火だ。

と言うわけで,大寒の木版画のテーマは焚き火と焼芋。色づいた落ち葉の中に焼き芋が二個,小さな炎と立ち上る煙。


篆刻はもちろん「大寒」だが,添えられた文章は本来は焼き芋とまったく関係がない。出典は大海人皇子(天武天皇)が今は中大兄皇子(天智天皇)の妻になったかつての妻額田王に送った歌,

紫の匂へる妹を憎くあらば人妻故に我恋ひめやも(万葉集) 

だ。これは額田王の歌

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る(万葉集)

への返歌。要するに,現代語の「芋」と,古文の「妹」の発音が同じというだけ。加えてさつまいもの色は紫だし,落ち葉が沢山あるから万葉という妄想の連鎖。焼き芋の版画を摺っていてふとこの歌を思い出したわけだ。

人妻故の「故」の意味が分かり難いが,リービ英雄の英訳を見ればバッチリ。故は,"because" ではなく,"though" なのだ。

If I despised you, who are as beautiful

as the murasaki grass, 

would I be longing for you like this,

though you are another man’s wife?

English translation by Ian Hideo Levy in Miyata et al. (2000) Love songs from the Man'yoshu (Tokyo: Kodansya International)


『万葉恋歌』

万葉集の歌は本来とてもシンプルで心情を直接的に表現したものが多い。難しい解釈は不要。英語で読むのが一番わかりやすい(こちらも参照👉)。上記の本,切り絵はあまり興味はないのだが,リービ英雄の英訳が知りたくて購入したもの。誤解をないように言うが,この本の切り絵が「もう一つ」というのではなく,僕は「切り絵」というものにあまり心を惹かれないのだ。

2025年1月4日土曜日

新二十四節気・小寒

明日は二十四節気の小寒。英語で言えば "Slight cold" だから「ちょっぴり寒い」と言うわけだが,ここ六甲山の裏では朝晩の寒さは結構きつい。それでも今日は,幌をフルオープンにしてパンを買いに山道のドライブを楽しんだ。贔屓のパン屋さんは今日が年明けオープン。

お正月休みは明日でおしまい。お正月休みは,近所の箕谷神社に初詣に出かけただけで,後は家の中で食ったり飲んだりの毎日,気がつくと体重は一気に2kgも増加した。

箕谷神社

クリスマスシーズンのシュトレンもすっかり無くなるため,正月休みは毎年和菓子を楽しむのが常だ。特に金沢出身のH先生が,生前年末に届けてくれる金沢の和菓子「福梅」はわが家のお正月には欠かせない和菓子だった。まさに「仰げば尊し和菓子の恩」

先生が亡くなった後年末に金沢から取り寄せていた。ただ今年は取り寄せることはなかった。暮れに京都の料亭の女将から京都の和菓子が届いた。それだけでお正月は十分。しかし毎年あるものがないのは少々寂しい。そこで小寒の版画は,きちんと並んだ箱入りの,「福梅」を木版画にした。添えた一言は「笑門来福」をもじった駄洒落。

福梅10個入り



2025年1月1日水曜日

Happy New Year

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくご指導のほどお願いします。




戯れに作った赤ワインの木版画

年末,街でぶらぶらしていてとても小さな額を見つけた。価格はなんと110円。サイズは約7センチ×9センチ,窓の大きさが約5センチ×約7センチの本当に小さなもの。壁にかけるだけではなく立てることもできる。それに合わせて簡単な木版画を作成した。安価でシンプルな額だから,木版画もシンプル...