一昨年,かみさんが神戸市の子育て支援のお手伝いを始めてから,帰りが遅い日は夕飯を作ることが時々ある。作ると言っても僕がやるのは二人暮らしでどうしても余る冷やご飯を使ったチャーハンぐらいなのだが,,,。若い時はよくローストビーフや焼き豚なども作っていたが,最近はすき焼きの味付けか,スパゲッティ,そして朝食時,豆を挽いてコーヒーを淹れるぐらいだ。スクランブルエッグやオムレツなど朝の卵料理も得意だが,最近はほとんどない。
そこで,一念発起,料理を習いに行くことにした。そうすれば料理当番の回数を増やして料理の種類も増やすことができる。今日がその初日。区役所の料理教室(👉こちら),中華,和食,洋食がそれぞれ一回ずつ合計3回,月に一度の3ヶ月間だけの教室。性別に制限はなく定員は12名なんだが行ってみると皆男性。それも僕が一番若いぐらいで老齢の方ばかりだった。先生は女性で,お二人ともとても親切で優しい方だった。新人は僕だけ,他の方は3ヶ月クールの教室を何度も継続されているようで親しく話をされている。
1回目の今日は中華料理。献立は
- えのきと長葱の生姜スープ
- 海老のチリソース炒め
- 大根もち
- 杏仁豆腐
の4種類。4人一組でこれらを作る。僕のグループは欠席者がいたため3人。僕は生姜スープと,杏仁豆腐の2種類を担当することになった。思ったより簡単に,それらしいものができた。実際に食べてみるとどれも美味。
手前の二つが僕のつくった杏仁豆腐とスープ |
スープは薄味だったが,実はこれは僕の好み。15年前に腎臓を傷めて以来,塩分を控えめにしているので家の料理はすべて薄味だ。腎臓の治療のため入院した二ヶ月間は塩分のない腎臓病食だった。腎臓のためには塩分を控え,カロリーを十分摂らなければならないため朝食は塩分の多い食パンではなく,毎日,塩分に比してカロリーの高いクロワッサン。二ヶ月間ひたすら牛乳と小さなクロワッサン二個を食べ続けた(笑)。
入院中の朝食配膳の表示ラベル |
ただ思わぬ発見もあった。腎臓病食では醤油,塩,マヨネーズなどの調味料が使えない温野菜を食べるわけだが,それによって野菜そのものがこんなに甘みがあり美味しくそれ自身が味を持っているということを知ることができた。これは僕の人生で大きな収穫だったと思う。
それ以降,僕の醤油,ソースなどの調味料の使用量は激減した。好物の蕎麦でさえ,あまり「つゆ」にどっぷり浸けなくなった。余談だが,「蕎麦をつゆにどっぷり浸けるな無粋なことはしねえ。そんなことをしちゃあ,そばの味がわからねえ」と言って生きてきた男が,死ぬ前に「一度でいいからつゆにどっぷり浸けて蕎麦を食いたかった」という落語の枕があった。やっぱりどっぷりつける方が美味いな。
明日4月16日は父の命日だ。父が死んでもう43年になる。僕が父と共に生きた期間より,父無しで生きた期間の方がずっと長くなった。
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