明日,6月21日は夏至。一年で一番日の長い日だ。もちろんこれは北半球に住むわれわれにとってであって,南半球では一年で一番夜の長い日になる。今年立夏から再開した二十四節気,柏餅,梅酒,フランスパンと食べたり飲んだりのものばかり。新二十四節気の版画はともかくできるところまで,食べたり飲んだりの路線で走ってみよう。
六月の食べ物といえば,月名そのものの和菓子「水無月」。京都では6月30日,「夏越の祓」で食す。
「水無月の夏越の祓いをする人は千歳の命のぶというなり」
というわけで,夏至の版画は和菓子の水無月。水無月だけでは寂いしいので,茶筅付きの抹茶を添えた。夏らしい色合いにするため茶碗の色は,実際にはあり得ないが薄いピンク。参考のため,実際に近くの和菓子屋さんで購入した本物の「水無月」の写真も示しておく。
二種類の水無月と抹茶 |
満月堂の水無月 |
ところで水無月が三角形の形をしているのには訳がある。三角は暑気を払う「氷」を表し,上にのせられた「小豆」は邪気を払うことを表しているとのこと。
「夏」,「三角形」といえば夜空の星座,ヴェガ,デネブ,アルタイルからなる「夏の大三角形」だ。そこで木版画に添える文字は大三角形の「大」と小豆の「小」を対比させた「夏の小豆三角形」。篆刻はもちろん「夏至」。今年もなんとか暑い夏を乗り切るぞ!
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