2021年12月1日水曜日

英語の俳句・木版画・篆刻・二人展:第2日

第2日目の今日は,少し来訪者の数が減り20名余りだったが,やはり素敵な人たちばかりだった。すべての人について書きたいのだが,そうすると論文になってしまうほど書きたいことが多い人たちだ。

いの一番は名誉教授のM先生。少し前に大病をされたM先生は,午後からは体調が思わしくなく,体調の良い午前中ならと,無理をして来てくださったのだ。学究肌で,ちょっと粋なM先生が芳名録にお名前とともに「二人の合作の心とセンスに感動した」と書いてくださったことは光栄なことだし,ちょっと自慢してもいいかな。

M先生が帰られた後すぐ,Dさんのゼミの同期生のYさんご夫妻や版画教室での大先輩のHさんがきてくださった。Dさんの奥様を交えて,今回の作品や,Dさんとの思い出について話していると,C君がなんと高知から遠路見にきてくれたのだ。C君は大学のゼミの3学年後輩。彼が学部3年生の時僕は大学院の修士課程2年生,きっと僕は,先輩ズラしていたんだろうな。いまだに彼は僕のことを先輩と呼ぶ。

Yさんからのお花が綺麗

卒業後,有名カメラメーカーに勤めていたが,今は和紙で有名な高知県の地元に戻り家業を継いでいる。事業は伝統的な和紙製造から,今や紙の総合メーカーに発展。今日は,自社製品のマスクを沢山持ってきてくれてマスクの本当の効力と正しい使い方などを熱弁,居合わせた来訪者に配布してくれた。学生時代はワンダーフォーゲル部,相変わらず元気いっぱいのC君だ。

C君の会社の製品(マスク)

もとカメラメーカーに勤めていたC君,この日もそのブランドの最新式デジタルカメラを持参して,居合わせた皆の写真を沢山撮ってくれた。下はC君とのツーショット。流石に高級カメラ,とても綺麗にとれている。忙しいC君は,疾風のように現れて,疾風のように高知へ帰っていった。

向かって右がC君

今日は,京都時代の友人Mさん夫妻,学生時代にお世話になったNさんTさん(僕が博士課程の学生だった頃教務学生掛長としてさまざまな相談に乗っていただいた),現役時代に大変お世話になったSさんHさんなど,懐かしい方々が沢山きてくださった。

そして今回の作品展の額装でお世話になった,老舗の額装店のご夫妻が見にきて下さった。拙い作品だが,お二人のアドバイスのおかげで,少ない予算ながら,バラエティに富んだ額装ができたこと本当に感謝している。

実は,今日はとても嬉しく舞い上がってしまうような来訪者があった。オランダには30年来の畏友がいることはこのブログでも紹介したことがある。彼との共同研究のため毎年のようにオランダに通った。おそらくこれだけ長い間同じ航空会社を使っていれば,偶然同一の客室乗務員(昔はスチュワーデスさんと呼んでいた)に出会うことはよくあることだと思う。普通はお互い覚えていないから再会したことに気がつかないだけだ。

実は僕は,ある客室乗務員の方と3回遭遇した。もちろん2回目に出会ったとき,その客室乗務員の方は僕のことを覚えてはいなかった。彼女にとって僕は,多くの乗客のうちの一人に過ぎないから,それは当然なんだが,僕はちょうどDuty Freeの販売に座席を回っているその人を覚えていた。

座席にちょっとした問題が発生した時に対応してくれたのが彼女だった。それが最初である。その問題は結局解決しなかったのだが,不思議にそのことについて不満に思うわけでもなく,彼女の対応に,何かすごくほっとするような,リラックスするようなハッピーな気持ちになったから覚えていたのである。彼女には生まれた時から何かそのようなものが備わっている感じがした。そのことを彼女に伝えると,とても喜んでくれた。

それから数年後,定年退職の3ヶ月前の12月,彼女と再び同じアムステルダム行きの飛行機で一緒になった。流石にその時はお互い覚えていて,3回目の再会をお互いとても喜んだ。これぐらいの偶然は当然起こり得るだろう。僕は彼女に,今年度で定年退職のためこれが最後のオランダ出張であること,長い間,彼女を含めてその航空会社に大変お世話になったことにお礼を言った。なんと,彼女にとっても,最後のオランダ行きの飛行だったのだ。この飛行を最後に退職されるとのこと。何か偶然を通り越して感無量だった。

その彼女が素敵なお花を持ってきてくれたのである。4回目にして初めて地面に足をつけてお会いした。これまではいつも1万メートルの上空だった。ギャラリーがパッと明るくなった。僕はあまりの嬉しさに舞い上がってしまった。空の上で知り合ったのだからそれも当然だ。人生は出会いと別れの繰り返し。ずっと近くにいても親しくなれない人もいれば,たった3度の出会いで気持ちが通じ合うような人もいる。


空からの使者にいただいた素敵なお花

というわけで来訪者は20人ほどと少し少なめだったが,素敵な出会いが沢山あった1日だった。








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