昨年,ステンドグラス風の鯉のぼりの木版画を作ったが,どうしてもステンドグラスの光の透過感を出すことができなかった。ステンドグラスは色は濃いが透過感があるという不思議な特徴がある。色を濃くしたり枠の形を変えたりして,再挑戦してみたがやはり難しかった。それならいっそのこと,夜の鯉のぼりにしようと月まで加えてみたら,良し悪しは別にして,枠の形が風のような,波のような,夜空の月か,水面に映った月か,なんともシュールな鯉のぼりになった。降ろし忘れた鯉のぼりが夜空にハタハタと風に吹かれている後継はなんとも寒々しい。篆刻は「夜風」,押す位置に苦労した。しかし,まあこの版画は失敗作かな?毎回満足のいくものは出来なくて当然だ。
忘れられ 夜風のままに 鯉のぼり
はたはたと 鯉のぼり 人目なく
おろし忘れ 風に吹かれて 鯉のぼり
二番目は 尾崎放哉の自由律俳句「咳を しても 一人」に刺激されている。通常の俳句の五七五律ではないが,自由律とは言いながら三三三という律を持っている。二番目のは五五五の率を持っているのだ。もう一つかな?
夜風に吹かれる鯉のぼりがテーマなんだが,ない知恵を絞って俳句(もどき)を考えていると,今この時期ボブ・ディラン(Bob Dylan)の風に吹かれて(Blowin' in the wind)をふと思い出した。
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