裏庭に咲く花々や,実を結ぶ小さな果実を見るのは楽しい。そんな楽しみを友人にも少しお裾分けしたく,それらを題材にこれから新たに毎月木版画を作成しようと思う。木版画に添える毎月の月名のハンコを作成した。ハンコは原則として12ミリ四方(四分)。水無月,神無月は三文字なので9ミリ×18ミリの長方形。デザインはあまり伝統的な篆刻にとらわれず,見てわかる文字を方針に少しモダンなものも取り入れた。
英語では(ドイツ語でも,イタリア語でも)各月は独自の名前を持っている。欧米では人々は日常生活で各月を固有の名前で呼ぶのに対し,日本では,一月,二月と番号で表すのが普通である。英語で言えばJanuary,Februaryを単にThe first month,The second monthと言うのに等しい。なんとも味気ない。日本語でも睦月,如月と呼ぶ方がずっと趣がある。
例によって「芸術的」な篆刻作品を作る気は毛頭なく,篆刻が木版画を説明し,また木版画が篆刻を説明することが目的だから,欠けも歪みも気にしない。経費節約のため長さ5センチの石をノコギリで半分に切ってみた。まあ経費節約というより,単に街までわざわざ出向くのが面倒だから手元にある石を利用したわけだ。押印する時に,圧力がかけ難く,多少不便だがその他は問題なし。
月名:石のハンコ |
ハンコを押す印箋も自作。横山大観の雲上富士のパロディー「雲上キリマンジャロ」を作成した。簡単な図案だが,サイズは8センチ×19センチ,美術展で求める一筆箋と同サイズ。真っ白の和紙や味気ない図柄の印箋よりハンコが映える。
キリマンジャロは今作成しているもう一つの木版画に転用予定。5月の庭の花は既に下絵はできている。早速彫って,摺って,皐月のハンコを添えてみよう。
0 件のコメント:
コメントを投稿