2022年10月25日火曜日

僕の「奥の細道」(II)2022年10月25日

松島で昨晩泊まったホテルは朝夕の食事付きだったため,宮城県のお買い物クーポンは夕食には使えない。次の日は岩手県の平泉が中心の行程だからその日のうちに使わなければならないため,ほぼ「ガッチリ買いましょう」状態で夕方は買い物に明け暮れる。さらに名物の笹かまぼこは賞味期限が短く,これからの旅の日程を考えると購入することもできない。上等のお菓子も日持ちがしないなど悪条件が重なり,結局夜の小腹の足しになるようなものばかり買ってしまった。まあいいか。

今日は快晴!さっそく小高い丘に登って松島湾を見渡す。たくさんの島が湾内に散らばる景色が見える。日本三景はこれで全て見たことになるが,天橋立の洲,宮島の厳島神社ような特徴的なものがわからずピンとこない。素晴らしさをわかるためには遊覧船に乗らなければならないのかなあ?

松島湾

松島でも芭蕉は俳句を残しておらず,曾良が素敵な俳句を残している。

松島や
鶴に身をかれ
ほととぎす

    曾良


今日の目的地は平泉。ここからは100キロ足らず。高速道路をつかえばI時間ほどで到着するはずだ。しかし平泉では訪れる予定も盛りだくさんだ。遊覧船は断念し,早めに松島を出発することにした。

午前10時には中尊寺に到着。中尊寺の駐車場に車を停めて本坊表門を目指すが意外と長くきつい坂道。休み休みたどり着いたが,まあどこにでもあるような山門だ。この向こうに本堂がある。

本坊表門

中尊寺の見どころは,なんといっても国宝の金色堂なんだが,コンクリートの立派な建物の中にまるで商品のように飾ってあるのには興醒め,おまけに撮影禁止の完全防備体制。

五月雨の
降りのこしてや
光堂

    芭蕉

芭蕉のころはきっとコンクリートの建物はなかったんだろう。僕は金色堂よりも,境内のあちこちに点在するさまざまなお堂の方が心に響いた。途中三人連れの年配の女性たちに集合写真の撮影を頼まれてお一人のスマホで撮影。そのお礼にと僕の写真も撮ってくれると言われる。一人旅で,芭蕉像の前,思いがけず僕自身の写真を取ることができた。

中尊寺経蔵

芭蕉像の前で

紅葉にはまだ少し早い

駐車場に車を停めたまま,徒歩で高館義経堂へ向かう。高館義経堂は義経が最後を遂げたところで弁慶が義経を守り立ち往生したと言われるところだ。少し階段を登ると,吉野山の「隠れ塔」とよく似た建物があった。義経が自害した所だ。やはり華美な建物は似合わない。芭蕉の俳句の碑があった。

夏草や
兵どもが
夢の跡
    芭蕉

お堂そのものよりも,お堂への階段の途中で見た平泉ののどかな景色と道端の雑草に何故か感動した。

秋空を
川面に映す
北上川

 一郎


平泉を流れる北上川

夏草ではなく秋草だけど

平泉の最後は毛越寺。中尊寺からは少し離れているため自動車で移動。実は芭蕉は毛越寺は訪れなかったということだ。立派なお寺と池だったが,そんなこともあって入場はしたが,本堂を眺めて,池の周りの遊歩道をゆっくり散策するだけで,ほぼ素通り状態。

毛越寺(池の向こうに本堂が見える)

中尊寺,高館義経堂,毛越寺の訪問で,本日の目的は完遂した。残すは今夜の宿泊地,山形県天童市までの移動だけだ。しかしこの移動が思いもかけず素晴らしい移動になった。朝来た道を古川ICまで戻り,そこから国道347号線の山越の道や田舎道母袋街道を抜けて尾花沢経由で天童に向かう。一人旅ゆえ写真が撮れないのが残念だったが,それより幌全開で紅葉の山中,ワインディングロードを爽快にドライブできた。紅葉を眼前に,耳には鳥の声,爽やかな秋風,排気ガスともほぼ無縁。すばらしいドライブだった。

峠道
山の中には
秋の声 
秋晴れの
鍋越峠
われ一人
秋高し
母袋街道
下り坂

一郎

天童には夕方到着。将棋の駒の生産日本一の街だ。ホテルのロビーには大きな将棋盤と将棋の駒,宿泊者へのサービスの温泉卵の石鍋の蓋も将棋の駒の形をしている。将棋好きの僕にとってはたまらない。

何故か角と飛の位置がおかしい。誰かの悪戯か?

蓋を開ければ〜,卵が見える〜♪

















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